6 多くの国で読まれた「武士道」

▲アメリカ第26代大統領ルーズベルト
 1899年(明治32年)、稲造は「武士道」を外国の人に読んでもらいたいと思い、英文で書きました。

 「武士道」が出版されると、世界の国々で大きな反響を呼びました。日本人の精神について、また「武士道とは何か」ということについて書かれているということで、この後、ドイツ語・フランス語・ポーランド語・ノルウェー語・ハンガリー語・ロシア語・中国語・アラビア語に訳され、稲造の名はたちまち世界に広まりました。(これだけ多く訳されたのは、日ロ戦争で日本がロシアに勝ち、世界の国々が日本に注目していたことも関係しています。)

 アメリカのルーズベルト大統領は、この本を読んで心をうたれ、一人で60冊も買い求めて、自分の子どもや友人に分けてあげました。
 また、アメリカの兵学校などの生徒にもすばらしい本であると紹介しました。

 このことをアメリカの友人から知らされた稲造は、
「私にとってたいへん名誉あることであり、ありがたいことです。」
と感激しました。

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